ロンドンVixen 60年代ー70年代のロックを聴く

60年代後半から70年代の黄金期を中心にロック名盤・名曲を聴く(時々乱読)

生活空間にふつうに銃が存在している国アメリカ

 

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今回は音楽と関係のない話です。

昨日郵便受けに入っていたスポーツ用品店のチラシを何気なく見ていたら、上の写真のような銃の宣伝が載っていました。

ショットガンライフルと並んで、ピストル銃弾300個入りのプラスチックのバレルまで安売りの赤い数字が人目を引きます。

アメリカに長く住んでいて、何をいまさらという感もありますが、やはりこうお手軽に書かれると違和感を覚えます。

アメリカでは銃が簡単に手に入る、というのはよく知られている通りです。

私自身、拳銃を手にしたことも撃ったこともあります。

留学生として渡米して間もない頃、「実弾を撃たせてもらえる場所がある」という在米日本人の「大人」がいて、「何でも経験」と思った私は興味本位で数人の同級生たちについて行ったのです。

刑事モノの射撃訓練シーンに出てくるような耳のプロテクションを付けて、ダーツの的のようなボードや人間を模した動く標的を撃ちました。

視力と反射神経が多少良かったのか、かなり命中率が高く、本気で訓練を受けたら昔の刑事ドラマの田中美奈子(古!)のようになれたかもしれません(笑)。

当時住んでいた学生寮フィラデルフィアの中でもマズい地域で、夜中に銃声が聞こえることもしばしば。よく出入りした近くのマクドナルドでは2度殺人事件があったと学生仲間で噂になっていたものです(寮自体は学内のバスが行き来していて安全でした)。

それでも当時は、いわゆるその筋の例えば麻薬の売人が金銭のもつれで、ということはあっても普通に生活している人間には直接関係ないと思っていました。

危ない場所を避ければ大丈夫。

アメリカの都市の場合、大体はそれで生き延びられるのですが‥。

無辜の一般市民を標的にした銃撃事件が次から次へと起こります。

昔ではロングアイランド鉄道で人種差別への恨みから通勤客を殺戮した乱射事件。
ヴァージニア工科大の、そしてコネチカットの小学校の無差別乱射。
このブログを書いている現在も先週LAで起こった乱射事件がニュースになっています。

乱射ではないけれど、「フリーズ!」という言葉が分からずに動いたためにハロウィンの夜に殺された日本人高校生。

危ない場所に行かなくてもいつ被害に見舞われないとも限りません。

 

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街角でぶつかった相手が、車でクラクションを鳴らした相手が、沸点の低い人で虫の居所が悪かったら。

電車の中で周りの人が喧嘩を始めて巻き添いになったら。

会社の人間とそんな話をしていたら「アメリカでは一家族に1台、拳銃はあるのが当たり前」という。

おそらく西部開拓時代からの「自分の命は自分で守らなければ」という考えが行き着いた先が銃社会アメリカということなのでしょう。

鹿が作物を荒らしたら、コヨーテやピューマが家畜を狙ってきたらライフルで撃つしかない。

強盗が家に侵入したら銃で撃つしかない。

銃規制が何度も話題になりながら、普通のアメリカ人が普通に銃を買う。
会社で一緒に仕事をしている人間が家に帰れば机の引き出しにふつうにピストルがある生活をしている。

銃を持って襲ってくる相手に対抗するには自分が銃で武装する。
国同士だと相手が核ミサイルで襲ってくるかもしれないから、自国も核ミサイルで武装するという発想ですね。

 

ロビー活動云々以前に、当たり前に売られている銃を当たり前に買う人間がいる以上、アメリカから銃がなくなることは残念だけどあり得そうもないのです。

でもね、でも。スポーツ用品のチラシの、卓球台やスニーカーの横に、本来人殺しの道具であるはずの拳銃が普通に載っているのは違和感あるじゃないですか

そう言ったら

スポーツ洋品店なんだよ、銃を買うのは。銃専門店が減ってきているから」
という返事が返ってきました。

嗚呼。