ロンドンVixen 60年代ー70年代のロックを聴く

60年代後半から70年代の黄金期を中心にロック名盤・名曲を聴く(時々乱読)

ビートルズとストーンズの好きな曲3曲 [R. ストーンズ編]

1960年代前半から半世紀以上やっていてスタジオ・アルバムだけでも30枚、ヒット曲数知れず、今なお現役というローリング・ストーンズ

全曲を聴き込んでいるファンも数多いと思われる中で、部外者が言うのもおこがましいとは承知の上ですが、ストーンズが一番面白かったのは60年代、アメリカ的商業化にどっぷり浸かる以前ではなかったかと。

言ってしまえば今かりにストーンズのチケットを人からもらったとしてもそれほど熱は入らないかもしれないけれど(多分行きますが)、ブライアン・ジョーンズが存命していた頃のストーンズだったら何に替えても見たかったという気がします。

 

さて、毎日のように聞いても飽きない曲といえばまずこれです。

Paint It Black(黒く塗れ)

英シングル・チャートで1位、ビルボードのHot100の1位。 米国版の「Aftermath アフターマス)」に一曲目として収録。

キースのギターブライアンのシタールのイントロ、ドスドスと入ってくる重くもアップテンポなリズムの心地よさ。

ビル・ワイマンはベースの音にハモンド・オルガンのペダルの音をダブらせて演奏したと言っています。

ヴォーカルのバックに付かず離れずメロディラインを奏でるシタール。


超ヒット曲には動画を貼らないつもりでしたが、こ時代のストーンズがとにかくカッコいいので白黒動画を貼ります。

 


Rolling Stones Paint It Black HD

 

「Salt of Earth (地の塩)」

アルバム『Beggar's Banquet(ベガーズ・バンケット)』収録。

初めて聞いた時に心をわし掴みにされました。

名もない人々、「生まれの賤しい」人々、額に汗をして働く人たちへの讃歌で、階級社会のイギリスらしい曲です。

彼らが集まるようなバーで歌っているような雰囲気がいい。

歌詞が「何かを変えよう」と言うような運動喚起になっていないことから、所詮金持ちロック・スターの戯言という批判もあったようですが、社会的なメッセージソングをストーンズに期待する方が野暮というものでしょう。(ちなみにキースの父は工場労働者で祖父母は社会運動家だったとウィキにある)

曲の途中から入ってくる力強いピアノはもちろんニッキー・ホプキンス

後半のゴスペル・クワイヤーによる合唱に心を洗われます。

 


The Rolling Stones - Salt Of The Earth (Official Lyric Video)

 

「Lady Jane(レディ・ジェーン)」

収録は『Aftermath(アフターマス
ジャガー&リチャーズによるヒット曲。

短い曲ですが、キースのアコギの重録にブライアンのダルシマージャック・ニッチェハープシコードが被さっていく様は得も言われぬ美しさです。

ジャック・ニッチェは作曲者として愛と青春の旅だちカッコーの巣の上でをはじめとする映画音楽で知られています。

「As Tears Go By」でもそうですがミック・ジャガーの訥々の語りかけるようなヴォーカルが本当にいい。

ライブの映像ではハープシコードではなくシロフォンが入っていますが、やはりスタジオ・バージョンのようが好きです。

 


1966 lady jane-rolling stones.mpg


3曲のつもりでしたがもう一曲。

「Sitting on a Fence(シッティン・オン・ア・フェンス)」

米国版のコンピレーション・アルバム『フラワー』の最終曲。

人生の様々なことの決定ができずにどっちつかずの男の歌です。

左スピーカーのブライアンと右スピーカーのキースのアコギ、ミックとキースのハモリ、最後にちらりと入ってくるブライアンのハープシコード、いいなー。

ストーンズらしい曲ではないですが、定期的に聞きたくなります。


若き日のストーンズのTVショーの動画

このマイク・ダグラス・ショーは、かなり気に入っている動画です。


 


Rolling Stones Mike Dougles Show 1964

 

結成後1年半というストーンズが「Carol」、「Tell Me」(日本のGS オックスでは何故か失神ソング(笑))」、「Not Fade Away 」を演奏していますが、面白いのは6:00あたりで入っているインタビュー

(英語が多少できたら面白いので見てみてください。冒頭のおじさん達の会話は飛ばしてOK)

メンバーの名前も知らないトーク・ホストがキース・リチャーズに向かって「こちらのあなたのお名前は?」と訊いていたり。

ここ数年ロンドンでは長髪が流行っているという話題で
「で、ロンドンの床屋はどうしてる」

受けを狙ったマイク・ダグラスの質問に、

「飢えてるだろ(Starving)」といかにもヤラセで言わされてます感アリアリのミックとブライアンの投げやりな返事。

 

さらにメンバー達と対面させてもらえた女性達のテンションの高さ。
キャーキャーと悲鳴。あー、どうしよう!もうダメ、ダメと顔を覆ってジタバタ。
(こらこら落ち着け)
当時らしく装いやメイクは老けているけど10代か20代の初めでしょうか。

「この中で女性に人気のある人は?」との司会の質問に

「いや、特にいないよ」とチャーリー・ワッツ

(いやチャーリーさん、何であなたが答えるの?確かに55年後の未来では一番渋くて素敵だけど)

「ミックは女性より男性に人気があるし」とおそらく一番もてていたと思われるブライアン。

 

今やミックもキースも70代半ば、チャーリーは70代後半。
バンドから離れているがビルは80歳代。

不健全な生活で有名だったキース等が、高齢者になっても生存しているばかりか現役バリバリでやっているとは当時のファンも想像しなかったでしょう。

一方この番組を半世紀後の未来人がこのような形で見るなどとは本人達も想像もできなかったに違いありません。