ロンドンVixen 60年代ー70年代のロックをひたすら聴く

60年代後半から70年代の黄金期を中心にロック名盤・名曲を聴く

ボックス・セットのフリー『Songs of Yesterday』

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(画像はボックスからの引用)

今晩は。ロンドンVixenです。
今回は久々にフリーです。

この数年来、ロック界でもボックス・セット(所謂「箱モノ」)が盛んに出るようになりました。

音楽のオンライン化が進みCDが売れなくなってきて、何とか経済的に余裕のある中高年のファンに大枚を払わせようという魂胆がみえみえですよね。

特にプログレ系の箱モノなぞは、豪華絢爛のおまけ付きの何万円ものボックス・セットが次から次へと出る有様です。

ボックス・セットを買う側の心理とはどんなものでしょうか。

  • 未発表の曲が聴ける。
  • 知っている曲の別バージョンが聴ける。
  • 付録が楽しみ。(懐かしの「小学○年生」。でも特製コースターやステッカー、入場券のレプリカとか欲しい?)
  • 持つことそのもので所有欲が満足させられる。(コレクター心理)
  • 欲しい欲しくないに関わらず惰性で買ってしまう。(さして面白くない漫画でも続編を買ってしまうパターン)

昨今はお節介に親切にリマスターCDに未発表曲や別バージョン曲が付いてくるので、未発表曲発見!の楽しみはなくなって来ています。おそらくは最後の二つが主な目的じゃないでしょうか。

 

フリーにも『Songs of Yesterday』という箱モノがあります。
プログレ系とは雲泥の差の地味なボックス・セットで、CD5枚とバンドの歩みを解説した小冊子が付録に付いています。

1枚目から3枚目が未発表曲やスタジオ・アルバム収録曲の別バージョン。
「のっぽのサリー(Long Tall Sally)」のカヴァーが入っていたり、アカペラのコーラスで始まるオール・ライト・ナウ(All Rigt Now)」が入っていたりと中々楽しめます。

4枚目は全曲ライヴ。

5枚目がおそらくファンのお目当てなんじゃないかと思いますが、アンディ・フレーザーが参加していたシャークスの曲、コゾフ・カーク・テツ・ラビット時代の未発表曲、ポール・ロジャーズと当時の夫人の清水さんの合作の未発表曲など中々手に入らない(かつ買わないであろう)曲が入っています。

 

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(画像はボックスからの引用)

取りあえずは4枚目のライヴを聴いてみることに。
フリーは『Free Live!』というアルバムを出していますし、『Free Forever』というDVDにもワイト島のコンサートが収録されているので音源としては珍しくありません。
が、聞いてみるとやっぱり楽しいんですよね、これが。

まず録音がいいのか音が鮮明。
コゾフのギターの伸びもサイモン・カークのドラムの切れも臨場感があります。

ポール・ロジャーズの卓越した歌唱力については、『ハイウェイ』およびバドカンの1枚目の記事でもしつこく書いたのでもはや何も言うことはありません。

 

londonvixen.hateblo.jp

 

アンディ・フレーザーのベースはリズム・セクションの域を超え、「ソングズ・オブ・イエスタデイ(Songs of Yesterday)」ではソロのイントロ、「スティーラー」ではギターと絡み、「オール・ライト・ナウ」では有名なベースのフレーズ。本当に楽しくてカッコいい。

学生時代にバンドをやっていた時は、アンディのベースに憧れました。
「アイル・ビー・クリーピン(I'll Be Creeping)」の独特のフレーズも好きです。

 

サイモン・カークのドラム。フリーの曲はブルース・ロック中心なので凝った変拍子が入ったりするわけではない、体育会系の正確で美しい基本のドラミング。
このライヴにはブルース・シャッフルの「ハンター」が入っていないのが残念。

 

そして全曲を通じて鳥肌もののギターを聞かせてくれるポール・コゾフ。
「スティーラー」のギター・ソロはスタジオ版より冴えています。
「ウーマン」のギター・ソロにはぞくぞくさせられるし、「アイル・ビー・クリーピン」のギターソロも絶品。

 

下のMr. Bigの画像はCDと同時期のものです。3:00以降のポール・コゾフのギター。ギターめちゃくちゃ哭いているけど本人も泣きそうな顔。終盤のアンディのベース・フレーズ。
サイモンのドラミングにはひたすらお疲れさまです、と言いたくなります。

 


Free - Mr. Big

 

駄作の少ないフリーですが、このライヴ版では「Stealer」「Mr. Big」「I'll Be Creeping」「オール・ライト・ナウ」が私的にベストです。

 

最後に多分アンコールなのでしょう、「クロスロード」が入っています。
クリームの有名なヴァージョンよりも重たくて泥臭い感じがします。
コゾフのギターもクラプトンと比べると垢抜けていないんですが、逆にこの曲ってこんな感じがいいんじゃないか、と思ってしまうのはやはり私がフリー贔屓のせいでしょう。