ロンドンVixen 60年代ー70年代のロックを聴く

60年代後半から70年代の黄金期を中心にロック名盤・名曲を聴く(時々乱読)

60年代ヒッピーの聖地ヘイト・アシュベリーでCDを探すの巻

ギルガメッシュ』の回にもちょっと触れましたが、カンタベリー系ロックの好きな友人から20枚ほどの入門編お勧め盤を推薦してもらいました。

どうせならアマゾンではなく、実際に見て買う方が楽しいと思い、サンフランシスコ界隈で一番大きなCDショップがあると思われるヘイト・アシュベリーにやって参りました。

 

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歴史的にサンフランシスコは全米の中でも特にリベラルな土地柄で、とくにヘイト・アシュベリー(HaightとAshburyの通りが交わる一帯)は60年代のヒッピー文化、カウンター・カルチャーの中心として全国から政治思想(反ベトナム戦争・反体制)、芸術的表現の自由を求める人たちが集まっていた場所なんですね。

 

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その時代のキーワードはドラッグ(とくにLSD)、フリーセックスであり、ロック、フラワー・チルドレン(ヒッピー)、さらにヨガなどの東洋思想であった訳です。

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ロックはとくに重要な要素で、ジェリー・ガルシアの家もこの近くにあり、グレイトフル・デッド、ジェファーソン・エアプレインはもちろん、テキサス出身のジャニス・ジョプリンもこのヘイト・アシュベリーで花開きます。

とくに今から半世紀前の1967年の夏は、全米から若い層を中心に10万人の人々が集まった「サマー・オブ・ラブ」とよばれるカウンターカルチャーの一大イベントが開かれました。


たしかスティーブ・ジョブズが「サマー・オブ・ラブに行きたい」と養父母に訴えたような話が伝記に載っていたように記憶します。1955年生まれのジョブズはまだ12歳だったはずで実際に行ったかどうかの記述は記憶が定かではありません。ともあれサンフランシスコのベイ・エリアで育ったジョブズがこの時代の空気を吸ってその影響を受けていたのは当然のことだったのでしょう。

 

きつね亭が初めてヘイト・アシュベリーに行ったのは今から20年位前ですが、その時は今よりも閑散としていて、数少ないコーヒー・ショップでコーヒーを買って通りを隔てた公園で大木の根っこに腰掛けてコーヒーを飲みながらくつろいでいた記憶があります。


今では店も増え、1960年代のカウンター・カルチャーを目玉にした観光地のようになっています。

当時を反映した本を多く仕入れている本屋、衣料品屋、古着屋、アンティークショップ、ノベルティ・ショップ、ネパールのグッズ・ショップ、オーガニックのレストラン等々。

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ここが中心部。 ヘイト・アシュベリーはSmoke Shopが多いです。
カリフォルニア州は昨年の選挙でマリファナのリクリエーション利用(つまり薬用ではなく遊びで楽しむ用)が合法になりました。日本から来た方はくれぐれも間違えて帰国の荷物に入れたりしないでね。

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60年代お約束の絞り染め風Tシャツ

とはいえ大勢の観光客が押し掛けるわけでもなく近く住む若い子たちがオープンカフェで友達としゃべっていたり本を読んだり、といった感じでのんびりしています。
時には頭に花を飾った元フラワー・チルドレンの爺様・婆様も見うけられますが。

 

CD探しの前にまずはお昼ご飯。

バーガーにドンと突き刺さったナイフがワイルド。

 

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そして、ここが目指すアメーバ・ミュージックです。

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とても広いのでかなり期待が持てそうです‥。

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が、キャラバン。ガーン。0枚です。

 

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ゴングも、ガーン。0枚です。

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当然、キャメル、ナショナル・ヘルス、ヘンリー・カウなどは間仕切りすらございません。

かなりこのお店は偏っております。
ご当地のデッドやジェファーソン・エアプレイン、スターシップ系が豊富にあるのは当然ながら、なぜかシド・バレットなどソロも特別企画ものも全種類そろっているという状況で。

 

この日の戦利品は、ギルガメッシュ(日本版)の他、ソフトマシーンの2枚目、ハットフィールドの『Rotter's Club』、ケビン・エアーズの『Joy of a Toy』、カンタベリーではありませんがピンク・フロイド『More』(アメリカではすでに廃盤で輸入品)、ジャケットが汚くて安くなっていたフェイセスの『ウーララ』でした。

 

教訓:
ヘイト・アシュベリーではCDを探すべからず。
CDはアマゾンで買うべし。
あるいはMP3をダウンロードするべし。(味気ないですが)
東京にいる方はDisc Unionを活用が一番です。
友達がCDを持っている場合は焼いてもらうべし。
その場合はジャケットのカラー写真も頼むがよろし。

 

あーあ、巷にタワー・レコードやヴァージンの店舗があった時代が懐かしいです。